「虫混入報告」チロルチョコとシャトレーゼの明暗 企業ブランドを守るために企業ができること
チロルの場合は企業の問い合わせ窓口ではなく、公開されたX上での投稿への対応だったとはいえ、その初動対応と公表のスピードには目を見張るものがあります。3連休中だったこともあり、投稿の発見から対応、公式見解のXへの投稿は大変だったと思います。チロルに問い合わせたところ、残念ながら「大変心苦しいのですが、取材については辞退させていただいております」との回答でした。
シャトレーゼの対応の3つの失敗
一方のシャトレーゼの問題は、苦情への初動対応の遅さと不透明さにありました。消費者から連絡を受けて、「2週間の調査期間を設ける」と伝えたところまでは悪くありません。しかし、その後の対応に失敗しました。
失敗の主な内容は①2週間経っても連絡をしなかったこと②消費者が再度問い合わせたにもかかわらず、「責任者に連絡が取れないといって対応しようとしなかった」とされたこと③マスコミが報道するまで結果として連絡が取れなかったことから、「報道されると一転して内容を公表し、お詫びをした」と取られたこと――です。
①は消費者から「約束を守らない企業」だとみなされるリスクがあります。②については「消費者を大切にせず、どんな状況かも教えない企業」、③は「問い合わせをした人の影響力があるかないかで対応を変え、情報を迅速に公開しない不透明な企業」だと思われる可能性があります。
シャトレーゼは、もともと手頃な価格帯で美味しい商品を出すことで評価、信頼されてきた老舗洋菓子チェーンです。この件1つで企業全体が判断されることはないと思いますが、今回の対応はいずれも企業イメージやブランド、信頼を大きく損ねるリスクがあります。
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