シニアと外国人女性専用シェアハウスの毎日とは 大阪市住吉区 異文化に接する暮らしが刺激に

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さらに、国土交通省の「住まい環境整備モデル事業」に採択され、補助金を得て改修工事ができたことで、松尾さんの想いが具現化していったのです。ただ、入居対象者については、変更せざるを得なかった面も。

「プロジェクト立ち上げ当初の『後期高齢者と、介護の仕事に従事している外国人のシェアハウス』構想は、後期高齢者だと世代的にシェアハウスに住む選択が難しいだろう、という結論に達し、対象を60歳以上のアクティブシニアに変更しました。外国人もコロナ禍で人を集めることが難しかったため、介護職以外の人へと対象を広げたのです」(松尾さん)

当初のコンセプトを表す図
当初のコンセプトを表す図。単身の後期高齢者と外国人介護士による、緩やかな交流で支え合うシェアハウスを想定していた。現在の入居対象者は少し変わったものの、松尾さんはこのような形のシェアハウスを諦めたわけではないという(画像提供/西都ハウジング)

「顔の見える関係」で信頼を担保

外国籍の人が賃貸物件を探すときに困ることの1つに「国内の緊急連絡先を求められること」があります。渡航したばかりの外国人は日本に知り合いがいないことも多いため、緊急連絡先を確保できないことで万一の時に連絡がつかなかったり、日本語で対応できないことを懸念するオーナーや管理会社から入居を断られるケースが少なくありません。

ところが、驚くべきことにコモンフルールでは、渡航したばかりの外国人入居者に対しては、国内の緊急連絡先の確保が難しいことから、家賃保証会社の利用を一切していないそうです。

「今のところ、家賃未払いや滞納はありません。外国人入居者で振り込みができない人もいるので、毎月私が集金にいっています。管理会社だけでなく、居住者同士も横の顔が見える関係というのが大きいのでしょう」

さらに入居希望者の審査や基準について聞くと、次のような答えが返ってきました。

「まず、外国籍の方を断る理由はありません。日本に働きにきているのか、短期の滞在なのかによって入居期間が変わるので、採算性などのバランスをどうとっていくかが大家の課題としてあるだけです。シニアの方は、介護サービスや見守りシステムなどを導入していないので、自立して生活できることが条件となります」

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