シニアと外国人女性専用シェアハウスの毎日とは 大阪市住吉区 異文化に接する暮らしが刺激に

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「また、2019年にカンボジアに視察に行く機会があり、日本語と介護を教える学校の校長先生の『カンボジアの若者たちに日本で介護を学ばせて次の世代に継承させていきたい』という言葉がとても印象的でした。

日本で働く外国人の数が増えているのは知っていましたが、その言葉を聞いて私も日本で頑張る外国の若者たちを応援したい、という思いが強くなっていったんです」

外国人労働者数と外国人労働者比率の推移
日本における外国人労働者の数や比率は年々増え続けており、今後も増えていくであろうと言われている(資料/厚生労働省「外国人雇用状況」よりリクルートワークス研究所作成)

「空き家の再生」大学や一般社団法人の協力も得て実現

この課題意識をもとに松尾さんは「高齢者と外国人の介護士が暮らすシェアハウス」というアイデアに辿り着きます。

そこで「以前から気になっていた」という、元のオーナーが管理しきれずに空き家になっていた文化住宅を買い取ることにしたのです。更地にして建て替える検討もありましたが、松尾さんにはなんとかこの歴史ある建物を残して活かしたいという思いがあり、蘇らせるための設計士を探しました。

文化住宅
文化住宅とは、主に昭和の高度成長期に建設された木造モルタル2階建ての集合住宅のことをいう。昔の長屋のようなイメージだが、トイレや台所は各部屋に配置されている(画像提供/西都ハウジング)

しかし築60年になる建物は構造を示す図面等も見つからず、無闇に手を入れるのはリスクが大きすぎると、多くの設計士に断られたそうです。それでも諦めきれず、同じような事例がないかを調べ、大学の研究室や一般社団法人など、多くの人たちの協力を得ることでリノベーションを実現することができました。

古い文化住宅
シェアハウス
大正・港エリア空き家活用協議会や大阪市立大学 建築学科 建築計画・構法研究室とプロジェクトを進めることになり、古い文化住宅(上)はシェアハウスとして生まれ変わった(下)(画像提供/西都ハウジング)
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