4代目「プリウス」はいったい何がスゴいのか ついにベールを脱いだ新型車を最速で解剖

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ガソリンエンジンの熱効率は、最近まで30%程度と言われていたからだ。簡単にいえば、ガソリンが本来持っているエネルギーのうち、30%しかクルマを走らせるために使わず、熱として捨ててしまっているということだ。

プリウスは初代から、捨てる熱を少なくできる「アトキンソン・サイクル」と呼ばれる燃焼方法を採用したエンジンを使っており、一般的なガソリン車と比べると、熱効率は高いほうだった。ただし、アトキンソン・サイクルにすると、最高出力が落ちてしまうため、エンジン車では、ターボやスーパーチャージャーなどの過給装置と組み合わせて採用されてきた。「プリウス」の場合、電気モーターのアシストで苦手領域を補う形だ。

最近のエンジン車では、低燃費で定評のあるマツダのガソリンエンジン、「スカイアクティブG」の熱効率が40%に迫るとされている。また、トヨタからも昨年4月に熱効率が38%という高効率ガソリンエンジンが発表されており、最近では小型ミニバンの新型「シエンタ」などに搭載されている。それらの事実を知った上で、4代目プリウスのエンジンが40%を越える熱効率になるのであれば、驚異的といわざるをえない。

予想燃費は、40km/Lか?

ここからはあくまで想像の領域だが、ハイブリッド機構について予想してみたい。

トヨタは2013年4月に社内組織として「ユニットセンター」を新設している。エンジン、駆動系、ハイブリッド機構などのユニットを商品企画から製造まで一貫して開発する体制の基盤を整えることが目的だった。その際、前述のエンジンの「熱効率」の向上に加えて、ドライブトレーンの「伝達効率」向上を重視すると発表している。ハイブリッド車においてエネルギーを伝える効率を高めるには、トランスアクスルなどの駆動力伝達系に加えて、電気モーターや電池といった電気系のエネルギー伝達の効率も高めなければならない。

トヨタは昨年、高効率のSiC半導体を自社開発していることを発表している。SiC半導体は、従来のシリコン半導体と比べて、電力の損失が少なく、小型化できるのが特徴だ。

具体的なメリットは以下の3つ。

① オン抵抗が少ないので、半導体の中での損失が少なくなる
② スイッチの切り替えを素早くできて、周辺の部品を小さくできる
③ 200℃以上の高温でも動作でき、冷却器を小さくできる

 

このSiC半導体を使ってパワーコントロール・ユニットを作ると、従来の5分の1サイズまで小型化でき、10%低燃費化できるとしている。

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