Q:物流危機を深刻化させた「悪循環」の構造とは?
物流危機が深刻化している要因はたくさんあります。中でも注目したいのは、「多重下請け」の構造、そして「荷主(=荷物の輸送や保管を依頼する側の企業)優位」の構造。これらは長い年月の中で業界に定着してしまった、根の深い問題です。
振り返ると、「物流2法」の施行によって、運送業が免許制から許可制に変わったのが1990年のことでした。事業を始めるのに必要な車両の台数なども緩和され、そこから新規参入が相次ぎます。結果、この30年で業者の数は1.5倍の、6万2000~6万3000社程度まで膨張しました。
業者の数が増えれば、価格競争は激化します。また、物流は季節によって物量の変動が激しい業種でもあります。そういった背景から、(経営をスリム化する目的で)仕事を下請けに出すことが当たり前になっていきました。こうして、多重下請けの構造が作られていったわけです。
最近の大手の手がける案件でも、「6次下請け」のような形になっている例は実際にあり、最終的に荷物を運ぶ会社が「どこが元請けなのかわからない」となるケースもあるといいます。
こうした多重下請け構造の中では、「水屋」と呼ばれる、車両を手配してマージンを抜いていくだけというブローカーの存在も目立ってきており、これを問題視する業界関係者が増えています。
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