“持ち株会社病”に先手打つ三菱ケミカルの人事戦略

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 石塚氏は昇格人事となるが、越智氏、姥貝氏はいわば「落下傘」方式で新天地に降り立つ。「出身母体にこだわらずに、まったく違う会社に行って今まで培った能力で『組織も含めてこういうふうにしたほうがいい』ということを打ち出してもらいたい」と小林社長は語る。

明確にこそ発表しなかったものの、26日に都内で開いた会見で小林社長は、部課長級を含めたグループ内の大幅な人事交流についても検討していることを明らかにした。

通常は2月ごろに発表する社長人事を12月末に前倒しで公表したのは「まずファーストレイヤーである社長人事を決めないと、その下の人事も決められない」(小林社長)。つまり、出身母体に関係のない人事異動が現場レベルで大胆に行われる可能性が高い。

今年5月以降に予定している主要事業会社のオフィス集約も含め、小林社長は、“持ち株会社病”とでも呼ぶべき縦割り型組織の弊害を突破することを狙っているフシがある。参考になるのは、同業で同じく持ち株会社方式で多角経営を展開する旭化成だ。

旭化成は03年に持ち株会社体制に移行、主要事業を分社化した。各事業会社ごとの独立採算体制により、赤字事業が明確化され、厳しい改革が進んだ。一方で、事業会社ごとの取り組みが近視眼的になりがちで、一つのテーマにバラバラに取り組む非効率性も生んだ。

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