独身で養子迎えた韓国人の彼女が語る率直な理由 結婚は当たり前なのに養子縁組は特別視に疑問
子どもを迎えると、わたしは家に宝箱を隠し持っているような気分になった。会社での仕事にもがぜんやる気が出た。
マットレスで四方を囲める折りたたみ式の添い寝ベッドを購入し、これを自分の枕元に置いて赤ちゃんと一緒に寝た。夜中に何度か起きて、すやすや眠る赤ちゃんをのぞき込んだり、ちゃんと息をしているかどうか鼻の下に指を当てて確かめたりした。
育児本で読んだ乳幼児突然死症候群が怖かったのだ。眠っている間に何の予兆もなく赤ちゃんが突然死することがあり、うつ伏せ寝のときに発生しやすいという。
添い寝ベッドを用意したのは、うつ伏せ寝を防ぐためだった。マットレスで囲まれた小さな空間の中で寝返りを打とうとするとベッドが傾いて、わたしが目を覚ますか赤ちゃんが自然とあお向けの姿勢に戻る。寝ている間に呼吸を確認する作業は、赤ちゃんがずりばいを始めるようになるまで続いた。
独身で養子を迎えるということ
会社勤めをしながら子育てをするために、わたしは当初、4〜5歳ぐらいの女の子を養子に迎えようと考えていた。それぐらいの年齢なら保育園に通わせることができるし、朝と夕方の数時間だけキッズシッターを依頼すればいいから、仕事にも大きな支障はなさそうだと思った。女の子を引き取ろうと思ったのは、自分が女だという単純な理由からだ。
でも、最初の養子縁組相談で社会福祉士の話を聞いて、考えが変わった。養子縁組機関に預けられた子どもは、満1歳を超えると「年長児」と呼ばれる。年長児は親密な親子関係を築くまでに長い時間と努力が必要となるだけでなく、そもそも4〜5歳の養子候補者は見つかりづらいという。養護施設に預けられている幼児や児童は多いけれど、生みの親が親権を放棄しているケースはまれだからだ。
社会福祉士のアドバイスに従って、わたしは乳児を養子に迎えることにした。年長児との養子縁組は、もっと子育てに専念できる家庭のほうがよさそうだった。まだ養子を迎えてもいないうちからキッズシッターの依頼を検討しているような会社員には難しい。
数年後に生後10カ月の次女を引き取ったとき、わたしは1歳近い子どもを養子に迎える難しさを少なからず味わった。長女は生後3カ月でわが家にやってきたので、自分が産んだのではないかと錯覚してしまうほど育児がスムーズに進んだけれど、次女は新しい環境に慣れて精神的に安定するまでにかなりの時間がかかった。
(翻訳:藤田麗子)
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