スバル「レガシィ」国内で消滅、36年の歴史に幕 レガシィ アウトバックが2025年3月で販売終了

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レガシィ ツーリングワゴンを引き継ぎ、2014年の誕生したレヴォーグ
レガシィ ツーリングワゴンを引き継ぎ、2014年に誕生したレヴォーグ(写真:SUBARU)

そうした声を受け、SUBARUは国内向けに「レヴォーグ」という新しいステーションワゴンを2014年に誕生させた。消費者の声を真摯に受け止めたといえるが、レガシィの役目は、少なくともこの時点で国内では終わりかけていたといえるだろう。

レガシィという言葉の意味は、いうまでもなく遺産であり、大いなる伝承物として後世に受け継がれていくものである。それは、レヴォーグに受け継がれたかもしれない。しかし、たとえ国内で大柄な輸入車が売れているとしても、レガシィへの価値は国内で消えざるをえなかったのだろう。

北米重視の代償とモデル終焉

レガシィ アウトバック特別仕様車「30th Anniversary」の走行イメージ
レガシィ アウトバック特別仕様車「30th Anniversary」の走行イメージ(写真:SUBARU)

北米重視とは、数の追求である。レガシィに限らず、トヨタの「ハリアー」も「RX」と名乗るようになり、北米のレクサスとして重要な位置を占めたが、国内では大きすぎるとして、改めてハリアーの車名を復活させ、国内で売り出した。また「カムリ」は、国内向けを終了した。ホンダの「アコード」や「シビック」は、やはり北米人気を軸に開発が進められ、国内で販売されてはいるが、影が薄くなったと言わざるをえない。

それらは一例だが、メーカーを代表したり象徴したりしてきた車種が、北米を軸にしたことで、存在が危ぶまれる傾向があるのは事実だろう。そのうえで、そのメーカーを代表する車種を、何か確保できているのだろうか。

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代表車種というのは、まさにブランドであり、ブランドを失えばメーカーの存在意義も薄れていく。まして、電動化と自動化の時代へ移行していけば、淘汰の波に飲み込まれる懸念が高まる。時代の大変革とは、目先の商売しか見ずにいると、置いていかれ、捨て去られることを意味している。

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御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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