スバル「レガシィ」国内で消滅、36年の歴史に幕 レガシィ アウトバックが2025年3月で販売終了

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2009年に登場した5代目レガシィ
2009年に登場した5代目レガシィ(写真:SUBARU)

SUBARUを代表し、象徴する車格と、商品性、そして先進技術を牽引してきたレガシィに転機が訪れたのは、2009年の5代目といえる。これに先立ち、2003年の4代目から、それまでの5ナンバー車という枠を超え、すべて3ナンバー車となっている。

日本特有の5ナンバー車という位置づけは、1989年4月の自動車税改正によって、3ナンバー車が贅沢品との価値判断が緩和され、以降、自動車メーカーは意味が薄れたとの認識になった。だが、消費者からすれば、5ナンバーと3ナンバーの差は、たとえば自宅車庫のゆとりという点において違いがある。

限られた土地に自宅を持とうとすれば、部屋の大きさをできるだけ広く、ゆとりを持ちたいと願うのが心情で、車庫の寸法は必要最低限になる。その傾向は今日も変わらないだろう。また、高層マンションや高層ビルの建設においても、地震国の日本では柱の間隔をあまり大きく取れないことから、駐車枠や通路の幅にゆとりがない。それらの結果、3ナンバー車の車庫入れは、自宅においても、そのほかの駐車場においても容易ではない。

大きくなり続けたレガシィの車体

レガシィ アウトバック特別仕様車「30th Anniversary」の外観
レガシィ アウトバック特別仕様車「30th Anniversary」の外観(写真:SUBARU)

道路の幅も、基本的にはモータリゼーションが拡大した1970年代頃から大きく変わっておらず、運転しやすさにおいて5ナンバー車の利点はなお残されている。軽自動車が新車販売の3割前後を占めている状況が、その証しのひとつといえるのではないか。

そうした国内状況に対し、レガシィは車体寸法の拡大を続けた。理由は、北米での販売を伸ばすためだ。現地での販売店網の整備を含め、開発担当者が北米での成功を誇ったのは記憶に残る。一方、歴代レガシィを乗り継いだ所有者からは「もう手に負えない大きさになった。しかも4輪駆動なので、回転半径が大きく、何度も切り返さなければ取りまわしが悪い」という声が届くまでになった。

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