東北の「地味な絶景路線」北上線沿線に何がある? 起点の北上駅は新しいホテルやマンション続々
現在はキハ100形気動車が基本的に1両でコトコトと健気に走る。北上線は目玉焼きと福神漬が付いたやきそばで有名な町の横手駅で奥羽本線に接続する。北上・横手両駅を含めた駅数は15。途中には、江釣子(えづりこ)、和賀仙人(わかせんにん)、相野々(あいのの)といった変わった駅名が並ぶが、もっともユニークなのは「ほっとゆだ」だろう。
ほっとゆだは、1991年までは陸中川尻という駅名だった。西和賀町の玄関口で山小屋のような屋根の駅舎に日帰り温泉施設があるのが最大の特徴だ。その浴場の壁面には、列車の到着までの時間を青・黄・赤の色で知らせる信号機が設置されている。駅舎内には「みどりの窓口」や地元の酒などを扱う売店も健在だ。
観光列車が沿線盛り上げ
普段の土曜日なら全線を通して走る列車は北上発横手行きが7便、横手発北上行きが6便。その北上線に10月26日、臨時列車の快速「ひなび 錦秋湖」が2往復走った。ひなび(陽旅)は2023年12月にデビューした観光列車だ。
ハイブリッド気動車HB-E300系「リゾートあすなろ」を改造した2両編成で、1号車はボックスシート中心のグリーン車指定席、2号車は普通車指定席。土休日を中心に盛岡―釜石間や八戸―大湊間などで運行している。北上線を走るのは今回が初だった。
運行当日、ほっとゆだの駅前では地元の飲食店が出店したり、郷土芸能を披露したりする「にぎわいフェスタ」が開催されており、地元の人たちが沿線で旗を振るなどして臨時列車を歓迎した。
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