その後、前出のウクライナ国防省情報総局は10月24日、ロシア東部で訓練を受けた北朝鮮軍の最初の部隊が、クルスク州の戦闘地域に到着したと発表した。
一方、2024年10月18日に韓国の国家情報院が、「ロシアへ派兵するための特殊部隊兵力が移動を開始した」と明らかにした。
国家情報院によれば、2024年10月8~13日まで、ロシア海軍の輸送艦で北朝鮮特殊部隊をロシア地域に移送していることを捕捉し、北朝鮮軍の参戦開始を確認したと結論付けている。これにはロシア海軍所属の上陸艇4隻と護衛艦3隻が同期間、北朝鮮東部・清津(チョンジン)や咸興(ハムン)、舞水端(ムスダン)付近から北朝鮮の特殊部隊1500人をロシア・ウラジオストクに運んだ。これが第1回目の移送で、まもなく第2回目が行われるという。
またロシア空軍所属のAN124輸送機がウラジオストクと平壌を随時行き来している、と付け加えている。AN124は、量産された機体としては世界最大のものだ。
韓国情報機関の情報
さらに国家情報院は、北朝鮮兵士がロシアの軍服と武器を支給され、北朝鮮人と顔格好が似ているシベリアのヤクーツクやブリヤート地域の住民に偽装し、また身分証明書も支給されているとみている。また、国家情報院のリリースには記載されていないが、派遣される北朝鮮兵士の数は1万2000人と明らかにしている。
国家情報院は、武器についても明らかにしている。2023年8月以降現在まで、北朝鮮は約70回、コンテナで1万3000個以上の分量の砲弾やミサイル、対戦車ロケットなどをロシアに支援したという。また、そのコンテナの大きさからすれば、これまで122ミリメートル、152ミリメートルの砲弾など約800万発以上がロシアに支援されたとみている。
このように両国から発信される情報に対し、アメリカやNATOはあいまいな対応を見せてきた。
10月24日、アメリカ大統領府のカービー大統領補佐官は「少なくとも3000人の北朝鮮の兵士がロシア東部にある複数の軍事施設で訓練を受けている」という見方を明らかにした。
訓練を終えればウクライナの前線に向かう可能性を指摘したが、「兵士は船で北朝鮮東部の元山(ウォンサン)付近からウラジオストクに移動した」と発言した。韓国の国家情報院が発表した「清津、咸興」とは違い、元山だと指摘している。韓国側のリリースにはない地名だが、この情報の齟齬はどこから来ているのか。
こうした動きをみて、北朝鮮の金与正・朝鮮労働党副部長は「核保有国を相手に働いた軍事的挑発というものが、どんな危険窮まりないものかについては世界のすべての大小国家の政治家や軍事化が正常な思考によって体験してみると想像すらむごたらしいことであり、そのような事例は最近、韓国とウクライナの連中を除いていないだろうと思う」と反論している。
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