北朝鮮軍に"頼る"ロシアの姿勢が激変した事情 ついに交戦開始、北朝鮮側が得るものは?

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北朝鮮外相が訪露、プーチン大統領と会談(写真:写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

ロシア西部のクルスク州のどこかで、約8000人、おそらく1万2000人もの北朝鮮軍がウクライナとの戦いに参加している。その隊列の中には、エリート特殊作戦部隊(SOF)も含まれており、アメリカの軍事専門家は、北朝鮮の地上部隊の中で唯一、訓練や戦闘態勢がプロの軍隊に似ていると評している。

ウクライナ当局は11月4日、自軍がクルスク地方で北朝鮮軍と衝突したと発表した。「朝鮮民主主義人民共和国の最初の軍隊は、すでにクルスクで砲火を浴びている」。ウクライナ国家安全保障防衛評議会のアンドレイ・コヴァレンコ氏は対話アプリ「テレグラム」にこう書いた。

SNS上には「北朝鮮軍に多数の死傷者」情報

SNS上では、北朝鮮軍がウクライナ軍との戦闘で多数の死傷者を出したとの情報が流れていたが、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は先週、韓国のTBSネットワークとのインタビューでこれを否定し、「北朝鮮軍はまだ戦闘に参加していない。彼らはクルスクでの戦闘に備えている」と述べた。

ゼレンスキー大統領の反応は、捕虜となった北朝鮮軍兵士が衝突の唯一の生存者だと主張し、ロシア軍を糾弾しているように見える動画に対するものだ。専門家たちは、これは捏造であり、おそらく北朝鮮の参戦に対する西側の反応を促したい者たちによるものだと考えている。

とはいえ、先週ワシントンで会談したアメリカと韓国の高官は、北朝鮮の参戦は数日後に迫っていると記者団に語った。

クルスクへの派兵は慎重に行われている。ウクライナ軍は昨年夏、ウクライナ東部の戦場からロシア軍を引き離すことを狙い、同州の地盤を掌握した。

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