ありえないほどの逆風「自公過半数割れ」の現実味 非公認議員が思わぬ苦戦を強いられている
当時も国民の怒りは自民党全体に向けられていたが、今回はこれに加えて「裏金問題」の余波がある。これに伴い12人の前職が党の公認を外され、34人が比例名簿に登載されなかった。
比例単独の3人の非公認も決定し、そのうち上杉謙太郎氏は福島3区から無所属で出馬。自民党福島県連の推薦は得たものの、苦しい戦いを強いられている。
公明党の支持があれば…
自民党の公認を得られなかったり、公認されても比例との重複立候補が認められなかったりした場合、公明党の支持がある場合はまだ望みはあるかもしれない。公明党は各小選挙区に2万票ほどを有しており、それに支えられている自民党議員は少なくない。
実際に、公明党は自民党から公認を得られなかった西村康稔氏(兵庫9区)と三ツ林裕巳氏(埼玉13区)と、比例重複なしの自民党前職34人のうち33人を推薦。公明党は兵庫2区で赤羽一嘉氏、兵庫8区で中野洋昌氏を擁立しており、自民党兵庫県連会長を務めたことのある西村氏との「票のバーター」を期待する。
また、10増10減によって旧埼玉14区から新埼玉13区に移動した三ツ林氏は、新14区に出馬している石井啓一公明党代表に八潮市と三郷市を譲った形となっており、公明党からの推薦はその「お返し」といえるものだ。
公明党の支持も得られない場合は厳しい戦いになるだろう。例えば、多くの創価学会の施設を擁する八王子市(東京24区)を選挙区とする萩生田光一元政調会長がこれに当てはまる。同選挙区は創価学会の大票田で、4万から5万票ほどあると見込まれる。
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