小学生男子"突撃お宅訪問"マンガ誕生秘話を聞く 話題の『お家、見せてもらっていいですか?』
また、佐久間先生自身、「増築しすぎな家」「九龍城」など、住人が自作をしていて、なんだかごちゃごちゃしている建築物がお好きだそう。完全無欠な家よりも、ちょっといびつで愛らしい、そんな絶妙な家、確かに魅力的ですよね。
ちなみに、作中には「手造りの山小屋」も出てきていますが、この家だけは実際に取材しているそう。こうしてみると手間と愛情がつまっています。
「全編に家が登場するので、建築家の先生に監修に入ってもらい、資料などから作画し架空の家にしているのですが、これが本当に大変で。内観と外観の整合性をもたせるとか、小窓がここにあるのにあそこにないとヘンなど、矛盾なく絵に落とし込むのはとても大変でした。紙面が出来上がったら建築家の先生に見てもらってまた修正して、の繰り返しです」とのこと。
建築家の先生も本業があるなかでの作画の確認、修正を繰り返し、ほぼ1年をかけて1冊が完成しました。
実はみんな隣の家が気になっている!
実際の反響はいかがでしょう。
「日本家屋など、Webで一部物語を公開していること、また、想像以上にたくさんの方が読んで下さって、いろんな反響が寄せられました。一番印象に残っているのは、『自分も子どものころ、道生のように、よそのお家に突撃したことがあります!』という声です。しかも一人じゃなくて、ちらほらいるので、実際に突撃する人がいるとは…! とその行動力に驚きましたね」
リアルにピンポンしちゃう人っているんですね! 今ではなかなかできないかもしれませんが、その行動力は尊敬です。現在でもYouTubeでは「ルームツアー」も人気コンテンツですし、やはりみなさん、気になる隣のお家があるようです。
もうひとつ、反響が大きかったのは「おばあちゃんのゴミ屋敷」で、いわゆる片付けられない実家のお話です。
カギを握っているのは、小学生・道生くんの行動。普段、「捨てろ」と言われても絶対に捨てないおばあちゃんが、道生がほしいというと、あっさりとモノをあげてしまうという驚きの展開。筆者の実家も母がモノを捨てられない性格で、長年の悩みのタネとなっていますが、このお話を読んで、「え、こんなことってありなの?」とびっくりしました。