何年も静かに"惨事"を待つ「カオスの帝王」たち 『カオスの帝王』など書評3点

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ブックレビュー『今週の3冊』

 

[Book Review 今週のラインナップ]

・『カオスの帝王 惨事から巨万の利益を生み出すウォール街の覇者たち』

・『日本の政策はなぜ機能しないのか? EBPM(エビデンスに基づく政策)の導入と課題』

・『誰も言わない日本の「実力」』

『カオスの帝王 惨事から巨万の利益を生み出すウォール街の覇者たち』スコット・パタースン 著
『カオスの帝王 惨事から巨万の利益を生み出すウォール街の覇者たち』スコット・パタースン 著/月谷真紀 訳(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・経営共創基盤共同経営者 塩野 誠

2024年8月5日の日経平均株価は4451円安と、下落幅が1987年のブラックマンデー翌日を超えて過去最大となった。新NISAの利用が広がり、個人投資家の市場参加が進む中での下落だった。当然、損失を出した投資家がいるだろう。多くの投資家はこんな混乱を望んではいない。

一方、世界のどこかには、こうした“惨事”を莫大な収益に変えるため、何年間も静かに待っている投資家が存在する。保険のようにも見えるその投資を、ある者は「攻めの保険」と評する。

何年も静かに“惨事”を待ち、市場の混乱を収益機会とする

本書は、感染症のパンデミック、自然災害、テロや紛争などが引き起こす市場の混乱を収益機会とする「カオスの帝王」たちの思想と投資手法を丹念に取材した力作である。

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