──イリインさん(ロシア共産党第2書記)、政治闘争に巻き込まれるのは嫌なものですよね。国家のために正しいことをしていたのに、それが犯罪として断罪されてしまう。
「短期的に見れば、人生は不条理なものだ。しかし、長い歴史に照らして見るとそうでもないかもしれない」
──どういうことでしょうか。
「20世紀初め、帝国主義の時代にロシアが社会主義を選択したのは正しかったと思う。当時、ほとんどの農民は文字を読むことができなかった。あの体制が続いていたら、私は小学校くらいは出て簡単な文字は読めたかもしれないが、新聞は理解できなかったと思うよ。そして貧農として毎日、農作業に従事し、農業の成果物は地主に取り上げられていただろう。それもまた自然の定めで、仕方ないのだと諦めていたと思う」
教育の質的向上は50年代から
──確かに、時代を支配するイデオロギーとはそういうものなのだと思います。
「ソ連体制になってからも帝政ロシアの階級支配の残滓(ざんし)はあったよ。知識人や官僚には帝政時代に高等教育を受けた人たちが多かった」
──どうしてでしょうか。
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