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ソ連の共産主義はヒューマニズムを作れなかった 佐藤優の情報術・91年クーデター事件簿80

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──イリインさん(ロシア共産党第2書記)、ソ連はこれからどうなっていくのでしょうか。

「佐藤さん、率直に言うがわからない。私はソ連を残したいと思っている。私は共産主義の理念を今でも愚直に信じている。誰もが出自に関係なく、同じだけの可能性を持つべきだ。また人間は頭のよさだけで判断されてはならない。人間の能力と適性はそれぞれ異なる」

──私もそう考えます。

共産主義の本質はヒューマニズム

「人間は人間であるだけで尊重されなくてはならない。共産主義の本質はヒューマニズムだと思う。しかしソ連はそういう人間をつくり出すことができなかった。正確に言うと、そういう人はいる。職場でも献身的に働く労働者はいるし、技術開発に熱心な技師もいる。研究が好きな学者もいる。しかし、そういう人は少数派だ」

──日本でもそういう人は少数派だと思います。大多数の人は生活のために働いています。それは仕方のないことではありませんか。

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