イリイン氏(ロシア共産党第2書記)は「あなたは変わった人だ」と言った後、こう続けた。「私たちはこの政争に敗れた。私はソ連共産党とロシア共産党を維持するために努力するが、この闘いでもおそらく負けると思う」
──私にはそう思えません。社会主義的価値観を支持する国民も少なからずいると思います。
「現時点ではそうだ。しかし、これから大混乱が生じる。今年の農業生産は悪くないが、国家と社会のシステムが混乱しているために、穀物の収穫と保管が十分にできず、腐らせることになると思う。冬から春に向けた備蓄も十分にできない。飢餓が深刻な問題になる」
ソ連はしばらく冬の時代
──そんなことが本当にあるのでしょうか。信じられません。
「飢餓の危険性は十分にある。クーデターが起きた原因の1つも、社会主義体制が混乱して収穫が十分にできず、国民を飢えさせる可能性があることだった。ゴルバチョフたちは、それを西側諸国の人道支援で乗り切ることを考えている。ソ連国内に十分に穀物はあるにもかかわらずだ。社会主義システムが維持されていれば、そのようなことにはならなかった。もはやこのシステムは回復できない。国民に食料を供給することができないようになれば、現在、社会主義に共感を持っている人々も離れていく」
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