石破首相「裏金議員=非公認・重複なし」決断の裏側 自民党内に怒り、言動の大きなブレで国民不信も
その一方で、党執行部の厳しい方針が示された7日、同党東京都連が党本部で緊急会合を開き、あいさつに立った都連会長の井上信治元万博相が、「昨日、政見放送も撮らせていただいた。(非公認の)対象となる方の地元から不平や不満、そして不安の声が寄せられている。決断をするにしても、なぜもう少し早く決断をしていただけなかったのか」と険しい表情で執行部への不満・批判を表明した。
また、非公認の対象とされた萩生田氏は7日、取り囲む記者団に対し「正式にまだ聞いていない。決まったらコメントする」と不快感を露わにし、総裁選で石破首相を支援した平沢氏も記者団に「こんな自民党じゃダメだ」と吐き捨てた。
そうした中注目されているのは、より多くの都連所属議員が関係する可能性がある「比例重複の可否」だ。石破首相は6日の段階で「政治資金収支報告書への不記載があった議員は、比例名簿へ登載しない」との考えを表明しており、都連では一定数の所属議員が比例区との重複立候補が認められない公算がでてきたからだ。
次期衆院選では区割り変更の結果、東京の小選挙区はこれまでの25から30と一気に増える。このため、党執行部は各小選挙区の事前情勢を見極めた上で、東京での比例単独候補擁立の必要があるが、現状では「大混乱は避けられない」(都連幹部)だけに、井上会長は「比例区の候補者が減ってしまうと、比例活動に影響が出る」と不満げに指摘した。
「仲間にむち打っても支持率上がらない」との反発も
もちろん、東京都連だけでなく、石破首相や執行部に対する不満や怒りは多くの地方県連に渦巻いている。「各議員の命運を決める重大な方針決定だったのに、事前の相談や根回しが全くなかった」(地方県連幹部)からだ。なかでも狙い撃ちされた格好の旧安倍派議員からは「こんなことは政治家がやることではない。仲間にむちを打って、支持率をあげようとしたって上がらない」(閣僚経験者)との反発が相次ぐ。
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