「持論を現実に」信仰という石破首相が持つ力 著名な宗教家だった曾祖父から受け継いだDNA

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
「当たり障りを顧みず、誰に遠慮も会釈もせず、又手加減もせず、只一方向きで馬車馬の様にその目的に向かって疾走するのである。これは私の癖であり、又短所でもある。誠に損な性分である。事は成っても人は敗れる。が併(しか)しそこにまた私の長所もあるだろう」(『回顧録―金森通倫自伝』)

 

その性格といい、伝道師風の物言いといい、石破氏と似ていないだろうか。理想を振りかざす書生肌の石破氏も、頼れる側近がほとんどいないと指摘されている。

日本経済新聞の2015年2月23日付の記事によると、石破氏はその偉大な宗教人の曽祖父について、「親戚の間ではあの寡黙で謹厳実直な二朗さんの息子がなんで茂さんなのか、どうも金森通倫の遺伝子が突然あらわれてきたのではないかといわれている」と自ら述べている。

「神はいない」なんて考えたことがない

作家の佐藤優氏は、石破氏が慶応義塾高校進学後に通っていた世田谷の教会に注目する。プロテスタントの中のカルヴァン派の教会だからだ。

佐藤氏は講演で「カルヴァン派の考え方は、その人の使命は生まれる前から決まっている。成功する人も失敗する人も生まれる前から決まっている。その人にはその人にしかない使命があるわけ。どんな逆境があってもどんなに無理だと言っても神様の声だけを聞いていれば必ず成功するという教えだ」と指摘した。

これは「救われる人間と救われない人間の両方を神はあらかじめ決めている」というカルヴァン派の「二重予定説」の考え方として知られている。

佐藤氏は自らが、金森が設立に尽力した同志社で神学を学び、同じカルヴァン派教会出身者だから石破氏の考えていることがよくわかるという。

2022年10月19日付の毎日新聞夕刊の記事によると、石破氏は「幼いころから『神はいない』などという恐ろしいことを考えたことは一度もありません。幼稚園のころから教会に通っていましたからね。神の存在はもちろん信じています」と答えている。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事