若いアメリカ女性が急速に「左傾化」している背景 トランプ現象の反動で女性のリベラル化が加速
ほかの若い女性たちにとっては、人工妊娠中絶を受ける憲法上の権利を最高裁が破棄した2022年の「ドッブス判決」が、最も強い影響を与える出来事となった。
「私の考え方はそれまでずっとリベラルだったが、今のようなレベルまでリベラル化する本当のきっかけはロー対ウェイド判決が覆されたことだった」と、オハイオ州ロレインで医療関係のカスタマーサービスで働くアリソン・シンプソン(25)は話した。「正直に言って、本当に恐怖を感じた」
政策的脅威に対する「合理的な政治行動」
ラトガース大学の政治学准教授ショーナ・シェイムズによれば、政治学者たちはこれを、政策的な脅威に反応する合理的な政治行動と呼ぶ。シンプソンの場合、その脅威は、「とても長い間、当然のこととして受け入れていた権利を自分でコントロールできなくなること」だった。
ギャラップの分析では、さらに3つの問題が、若い女性たちをリベラルなアイデンティティへと強く突き動かしていることがわかっている。その問題とは、気候変動、銃規制、人種間関係だ。
若い女性の左傾化には、おそらくほかの要因も寄与していると、政治学者たちは指摘する。2018年のアメリカ議会選挙では多くの女性が下院の議席を獲得したが、その中には当時29歳だったアレクサンドリア・オカシオ=コルテス(ニューヨーク州選出、民主党)をはじめとする進歩的な女性たちが含まれていた。
自分と同じような人が議員になるのを目にすることは、特に若い女性たちにとって政治への関与を促すきっかけとなる可能性があることを、政治学者たちは明らかにしている。