モンハン、マリオのヒットで任天堂3DSに底入れの兆し
マリオ、モンハンと大型タイトルを連発したことで、ハードの普及に弾みがついた格好だ。特にモンハンの場合、これまで購入を迷っていた若い男性層が3DS本体を新規購入したケースが多いと想定される。モンハンは複数人が協力しあってプレーできる点に特長があるため、一度普及フェーズに入れば、このまま勢いが加速する可能性がある。特に、カプコンと任天堂は「モンスターハンター4」を3DSで展開するとすでに表明していることから、「少なくともモンハンを2作品楽しめるのであればハードを購入しよう」と考える消費者も少なからず存在すると考えられる。
任天堂は10月末の上期決算発表で、今12年3月期の業績予想を大幅に下方修正した。主因は言うまでもなく、2月に発売した3DSの出足が想定以上に鈍かったことだ。8月時点で3DSの希望小売価格を1万円値下げした結果、在庫補償等の関係でハードを売れば損失が出るという「逆ザヤ」の状態になっている。岩田聡社長は「2013年3月期には、3DSのハードの収益性は今期に比べると大きく改善できる見通し」と述べており、「『ハードでものすごく大きな損失を出し続けてハードを普及させないといけない』という状況」(岩田社長)は今期まで、としている。仮にこのままハードの普及が続けば、量産効果で逆ザヤが解消できる可能性はある。
今年末商戦で任天堂は3DSに関して一筋の道をつけたと言える。ただ、大型タイトルがハードの販売を牽引しているため、ハードの普及が一過性のものとなる懸念も残る。今後持続的にヒットタイトルを出し続けられるかどうかが、3DSの行く末を決定づける。
任天堂は「有力タイトルをリリースする間隔が極端に空かないようにし、プラットフォームの勢いが維持できるよう」(岩田社長)準備を進めている。たとえば、「『任天堂が作ったものをすぐ発売するのではなく、少し貯められないか』ということ(=開発したソフトの発売タイミングをコントロールする)」(同)、「ソフトメーカーさんとの連携をより強化する」(同)といった社外リソースの活用などだ。こうした施策の実行により、できる限り、ソフト不足による失速を再び繰り返さないようにしたい考えだ。
(前野 裕香 =東洋経済オンライン)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売 上 営業利益 経常利益 当期利益
連本2011.03 1,014,345 171,076 128,101 77,621
連本2012.03予 790,000 1,000 -30,000 -20,000
連本2013.03予 890,000 35,000 35,000 20,000
連中2011.09 215,738 -57,346 -107,872 -70,273
連中2012.09予 250,000 -30,000 -30,000 -30,000
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1株益¥ 1株配¥
連本2011.03 607.0 450
連本2012.03予 -156.4 100
連本2013.03予 156.4 100
連中2011.09 -549.5 0
連中2012.09予 -234.6 0
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