SNSはZ世代の友だち関係を「豊か」にしたのか 周りが「見えすぎる」ことによる不自由さ

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舟津:なるほど。聞いていると、他人に対して気を遣っていることが、むしろ障壁になっているような面もあるのかなと思いますね。

とある企業研究所の方と喋ったときに面白いと感じた話が、「あなたにとって一番の友だちは誰ですか」という質問への回答について、「最初に出会った時点」が段々とさかのぼっているそうです。つまり、小学校時代の友だちを挙げる割合が高い。最近会った人たちとは友だちになれないって思う人が増えているらしいんですね。

それと似た雰囲気を感じます。年齢を重ねて相手に気を遣えるようになったら、関係を深める前に自重してしまっているのかなと。

田川:さかのぼっているのは面白いですね。でも、知らない期間が少ないから、安心するっていうのはよくわかります。その割合が増えているとしたら、現代の何かを反映したからそうなってるということでもあるんですかね。

わかりすぎているゆえの不利益

舟津:デジタルなコミュニケーションに依存する前に「純粋な」人間関係を築けたからというのは1つあるかもしれません。いやしかし、本を書いたときも、今日の座談会でも思ったのは、やっぱりみなさん、すごく繊細で、賢くて、いろんなものを丁寧に見ているんですよね。ただその結果、不利益が起きている部分もあるので、それって非常に難しい問題だなと思います。

SNSもあんなに便利なのに、見たらしんどくなっちゃうから逆に見なくなるというのも皮肉なところですし。色々わかりすぎている中でやっていかないといけない難しさがあるんだろうなというのは、聞いていて思いましたね。

では、最終回はみなさんのキャリア観や、率直に今の社会に求めることについて深掘って伺えたらと思います。

(10月4日公開予定の第3回に続く) 

舟津 昌平 経営学者、東京大学大学院経済学研究科講師

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ふなつ しょうへい / Shohei Funatsu

1989年奈良県生まれ。2012年京都大学法学部卒業、14年京都大学大学院経営管理教育部修了、19年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了、博士(経済学)。京都大学大学院経済学研究科特定助教、京都産業大学経営学部准教授などを経て、23年10月より現職。著書に『制度複雑性のマネジメント』(白桃書房、2023年度日本ベンチャー学会清成忠男賞書籍部門受賞)、『組織変革論』(中央経済社)などがある。

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