一方、証管会は恒大地産の会計監査のプロセスについて、PwCがとった対応の多くが有効に機能していなかったと指摘した。
具体的には、不動産開発プロジェクトの現地視察に基づく監査記録の9割近くが、実際の状況と合致していなかった。記録上は(建設工事が完了して)引き渡しの条件が整っているとされた物件の大部分が実際には竣工しておらず、恒大地産側が「見せるな」と指示した物件は現地視察の候補から外されていたという。
財新記者の取材に応じた監査業界の複数の関係者は、関係当局がPwCに科した総額4億4100万元の罰金は、おおむね予想通りか、むしろ予想を下回る金額という見解を示した。その一方、監査部門の6カ月間の業務停止に関しては、「かなり重い処分」という見方で意見が一致した。
監査業務の新規受託に制限
中国公認会計士協会が公表した2022年度のデータによれば、PwCが手がける会計監査、アシュアランス(保証)サービス、コンサルティングなどの事業のうち、監査部門の売上高は全体の86.3%と圧倒的比率を占める。
しかも、今回の処罰がPwCの監査業務に与える影響は、業務停止の6カ月間だけでは終わらない。
財政省のガイドラインによれば、過去3年間に(中央政府の)財政省または(地方政府の)省レベルの財政部門から罰金や業務停止などの行政処分を科された会計事務所は、その後3年間にわたって金融機関向け監査業務の新規受託および業務拡大を禁じられる。
(財新記者:程思煒、王娟娟)
※原文の配信は9月13日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら