ゴルフ場大手PGMHDの次期社長にライバル企業の元取締役が就任
大手ゴルフ場運営会社のPGMホールディングスは14日、来年1月下旬に就任する次期社長にライバル企業であるアコーディア・ゴルフの元取締役・神田有宏氏(=写真右)を招聘する人事を発表した。現職の氏家顕太郎社長は退任する。
神田氏は2012年1月25日に開く臨時株主総会後の取締役会で承認を受け、同日付けで就任する予定。同社はパチンコ機メーカー大手・平和のTOB(株式公開買い付け)実施により、公開買い付け決済開始日の12月5日に平和の連結子会社となった。14日に同時発表した1月25日付人事では、新役員として平和社長の石橋保彦氏ら3人が社外取締役に就任する予定だ。
ここ最近PGMHDは、アコーディアに収益力で差をつけられていたが、そのライバル社からトップを招く“荒療治”で、業績回復を目指す。
PGMHDは14日、同日付で同社顧問、同社子会社パシフィックゴルフマネージメント会長に就任した神田氏の出席の下、記者会見を開いた。主な会見内容は以下の通り。
--今回の次期社長人事の経緯は。
「平和のTOBが5日にクローズした後で、平和からお話をいただいた。なぜ私に白羽の矢が立ったのかはわからない。(アコーディア退任後は)ゴルフ業界に戻る考えは持っていなかったが、株主(平和)の意向(株を中長期保有すること)やPGMの現経営陣と話し合い、一緒にできるものがあると考え決断した。ほんの数週間の出来事だ」
--アコーディアに対するPGMの強みと弱みは。
「これまでもライバル社としての視点で見てきたが、改めて見ると、ゴルフコースそのものはPGMのほうがいい。サービス面はかつてと比べると見劣りはしなくなったが、最も違う(弱い)点は運営システムを含め、本社のサポート部分だろう。現場(ゴルフ場)は頑張っている。私の役割はPGMグループを日本一のクオリティを持ったゴルフ場運営会社に導き、ゴルフ業界のリーディングカンパニーとして業界を牽引することだ」
--まず対処したい経営施策は。
「ネット予約(率)はアコーディアと比べ10~15%ほど低いだろう。また、利用者向けのポイント制度もPGMのほうが使いにくいようだ。まずは、来場客が利用しやすいようにする施策を早期に見直し、アコーディア以上のものをつくっていければと思う」
PGMHDは全国に127のゴルフ場を運営する大手。平和による連結子会社化で新役員人事が注目されていた。その目玉人事ともいえる新社長に就任する神田氏は、元ゴールドマン・サックス証券出身で、1999年から企業再生事業の一環としてゴルフ場再生事業を手掛けたアコーディアの創業メンバーの1人。同社をゴルフ運営会社トップの座に据えた功労者といえる。
08年からはアコーディアの取締役執行役員として陣頭指揮を振るい、今年5月に退任したばかりだ。1986年慶応義塾大学商学部卒業、48歳。
(鈴木 雅幸 =東洋経済オンライン)
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