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「Z世代」は、先のように「推し番組」での獲得を狙う。逆にシニア層には、ラジコではなく通常受信の地盤がまだある。そこでラジコを軸に、業界全体で「Z世代」を狙う。高いと言っても利用率がまだ2割に達していない「Z世代」をラジコの戦略ターゲットとして利用促進し、ラジオのある生活に引き込む。

この世代は、「ラジオのいい時代」を知っている最後の世代といえる。もっと具体的に関東地区でいえば、ラジオスター・伊集院光世代であり、今ナイツのフリートークに耳を澄ましている世代だろう。

「Z世代」と「シニア」の間にいる「X世代」の可能性

「X世代」だから、まだ「シニア」ではなく(少なくともシニア自意識はなく)、まだまだ活動的で、消費意欲も高く、かつ「Z世代」ばかり意識して大騒ぎしているテレビメディアやネットメディア、逆に粛々とシニアシフトしている活字メディアに対して、疎外感を感じ始めている世代でもある。

「X世代」――実は狭いようで広く、この原稿で挙げたオードリー、増田英彦、伊集院光、ナイツ、そして私まですっぱりと入る広大な世代だ。

「Z世代」と「シニア」世代の中間で、宙ぶらりんとなっている「X世代」の最強の相棒としてのラジコに、そしてラジオメディアになる。

ちなみにこの場合、ラジオ局同士で戦うという発想よりも、ラシオ業界全体がタッグを組んでサブスクやYouTubeと戦うという発想が重要だろう。

もちろん、そんな「X世代」も歳を重ねる。ゆくゆくはラジコ化した「シニア」も含めた、いよいよ広大な「大人」市場のど真ん中メディアとして、ラジオが君臨する時代へ。

2017年4月20日、TBS『伊集院光とらじおと』に出演したラジオスター・吉田照美は、今後やりたいラジオを聞かれて、「年寄りが画期的なことをやる番組。『ラジオ深夜便』みたいな静かな番組じゃなく、年寄りが暴れたり、大声を出す番組」と言っていた。

そういうラジオを聴いてみたいと思う私は、「X世代」の最長老である。

スージー鈴木 評論家

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すーじー すずき / Suzie Suzuki

音楽評論家・野球評論家。歌謡曲からテレビドラマ、映画や野球など数多くのコンテンツをカバーする。著書に『イントロの法則80’s』(文藝春秋)、『サザンオールスターズ1978-1985』(新潮新書)、『1984年の歌謡曲』(イースト・プレス)、『1979年の歌謡曲』『【F】を3本の弦で弾くギター超カンタン奏法』(ともに彩流社)。連載は『週刊ベースボール』「水道橋博士のメルマ旬報」「Re:minder」、東京スポーツなど。

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