都電荒川線の沿線風景変わる「トンネル工事」の今 雑司ヶ谷―鬼子母神前間の地下に道路開通予定

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工事区間にある都電荒川線の停留場が鬼子母神前(きしぼじんまえ)。東京メトロ副都心線の「雑司が谷」駅の地上に位置する。停留場の西、ケヤキ並木の参道の先には、安産と子育ての神様として参拝者が絶えない国指定重要文化財「雑司ヶ谷鬼子母神堂」(鬼の字は1画目の“ツノ”がない)が建っている。北には東京音楽大学があって楽器を携えた学生の姿も目立つ。

都電荒川線で鬼子母神前の1つ隣が「都電雑司ヶ谷」の停留場。東側に雑司ケ谷霊園が広がる。夏目漱石、永井荷風といった文豪をはじめとする著名人が眠っており、墓参りに訪れる人も多い。この停留場手前で都電は東へ、道路とその地下の副都心線は北へと分かれることになる。

雑司ヶ谷 鬼子母神前間 荒川線 2024年工事中
都電荒川線の都電雑司ヶ谷―鬼子母神前間。東京メトロ副都心線が地下を走っている(記者撮影)

超高層ビルが増えた豊島区

環状第5の1号線は副都心線に沿っていく。グリーン大通りに合流する手前にそびえ建つのが高さ「としまエコミューゼタウン」。低層階は豊島区役所、上層階が分譲マンションの超高層ビルで外観デザインは隈研吾氏が担当した。

としまエコミューゼタウン
豊島区役所が入る「としまエコミューゼタウン」(左)など超高層ビルが林立する池袋駅の東側(記者撮影)

池袋駅の東側では1978年竣工の「サンシャイン60」が長くエリアのシンボルとなっていたが、2000年代に入り、「エアライズタワー」「アウルタワー」といったマンションを中心に超高層建築が目立つようになった。2023年9月にはサンシャインシティに隣接して東京国際大学池袋キャンパスが開校した。

都電荒川線は停留場の数が30で、JR山手線の駅の数と同じ。全区間の所要時間も約1時間と山手線1周とさほど変わらない。休日にふらっと出かけてみるにはぴったりの移動手段だ。久しぶりに都電に乗ってみたら、沿線の街並みの変化に驚くに違いない。

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橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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