都電荒川線の沿線風景変わる「トンネル工事」の今 雑司ヶ谷―鬼子母神前間の地下に道路開通予定

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早稲田大学のキャンパスが近い都電荒川線の早稲田から三ノ輪橋方面の電車に乗ると、北西へ進んで最初の停留場が面影橋。東京メトロ副都心線が地下を走る明治通りの手前でほぼ直角に曲がり、神田川を渡って豊島区に入る。次の停留場が学習院下。文字通り学習院大学のキャンパスの南に位置する。

学習院下付近からは上り坂。東側に平行して「のぞき坂」がある。もう1つ東側は「宿坂」で、坂の下に「目白」の地名の由来となった目白不動尊をまつる金乗院がある。

都電荒川線は明治通りに沿って坂をぐんぐんと上っていき、東西方向に通る目白通りをくぐる。明治通りと都電をまたぐのが千登世橋・千登世小橋だ。この坂の途中から北側は大規模な工事が進行中であることがわかる。目白通りと明治通りをつないでいた歩行者用の階段はすでにない。

都電荒川線 学習院下付近
目白通りから見た南側。奥に学習院下の停留場がある。歩道を挟んで右が明治通り(記者撮影)

沿線の道路が大改造中

この工事は東京都が進める「環状第5の1号線」の整備。渋谷区広尾から北区滝野川までの約14kmの道路で、このうち、明治通りの千登世橋付近と、池袋駅東口駅前広場から延びるグリーン大通りを結ぶ約1.4kmの区間が未整備となっていた。東京都第四建設事務所の担当者は「2028年3月の完成を目指している」と説明する。

未整備区間が開通すると池袋駅周辺の交通混雑が緩和されるという。かつて渋滞の原因とされ姿を消した都電も、今では道路整備の工事としっかり共存している。

現在、地上の都電荒川線と地下の東京メトロ副都心線に挟まれた空間を通る、片側1車線ずつ2車線の道路トンネルの躯体は完成済み。今後は工事に伴って移設した都電の軌道復旧工事などを実施するという。

都電荒川線 鬼子母神前電停 工事中区間
鬼子母神前の停留場。地下にトンネルが開通する予定(記者撮影)
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