そして、魚介類の流通が良くなったことも挙げられます。かつては、港町に足を運ばなければ食べられなかったものが、獲れた当日中に、市場を介して食べられるようになりましたし、チルド技術も向上しました。魚肉の消費量が減る一方、多様な海産食材を口にする機会が増えました。
また、輸入水産物も関係するのではと考えています。輸入水産物の中には、「どの海域由来の魚なのか、飼育環境がどのようなものか」がよくわからない商品もあります。ほとんどの国では、法規制もあり、日本のように魚を生で食べる文化がありません。特に欧米は、極度の冷凍をしてから食べますから、既に死んだものと見なされて、出荷前や客への提供前に生きているアニサキスがいないかどうかを目視する習慣はないでしょう。
アニサキスの多い海流で獲れたかもしれないし、アニサキスを減らすための調理加工が十分ではない状態で、日本に輸入されているかもしれない。もちろん推測の域を出ませんが、私は可能性として考えています。上記の理由が組み合わさり、アニサキス症が増えていることにより、アニサキスアレルギーも増えているのではないかと考えています。
病気と向き合いやすくなる
アレルギーの病態、メカニズムを医療関係者以外の方が正確に知る機会はなかなかありません。本書『アレルギー』は、免疫学の考えに基づいて、一般向けに解釈したことが書かれていて、非常に役立つ内容です。医師からの説明を理解しやすくなり、自分の病気と向き合いやすくもなるでしょう。また、アレルギーのことを学び始めた医療従事者にとっても良い参考書になるはずです。
(後編に続く)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら