緩和期に膨らんだ「住宅ローン残高」のヤバい実態 20~40代の負債は預金の倍以上になっている
40代まで負債超過の状態
家計部門で注視が怠れないのは、住宅ローンへの影響だ。長引く超低金利のもとで、家計は、過去のトレンドを超えて多額の住宅ローンを借りられ、住宅を購入してきた。
下の図表は、家計の金融資産・負債残高を世帯主の年齢階層別にみたものだ。目立つのは、家計の負債残高がすべての年齢層で増えていることだ。
2019年時点の負債残高(グロス)を10年前と比べると、30歳未満345万円→553万円、30~39歳層835万円→1182万円、40~49歳層941万円→1106万円、50~59歳層568万円→690万円、60~69歳層278万円→334万円、70歳以上層152万円→193万円となる。
この結果、以前であれば、40代にはネット金融資産(金融資産残高から金融負債残高を差し引いたもの)が負債超過から資産超過に転じていたものが、2019年調査では、ネット資産超過への転換が50代に持ち越されている。
家計部門における負債は、ほとんどが住宅ローンだ。データからわかるのは、異次元緩和下での超低金利が、いかに若年層、中堅層の住宅購入を促したかである。
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