【産業天気図・家電・AV】欧米の景気悪化とタイ洪水、そして円高の逆風で苦境脱せず

予想天気
11年10月~12年3月 12年4月~12年9月

家電・AV業界は11年10~12年3月にかけて、「雨」が続きそうだ。東日本大震災の影響が薄れた矢先に起こったタイ洪水は、業界に暗い影を落とす。工場が被害を受けたソニーやパイオニア、キヤノンでは、代替生産を急いでいる。しかしハードディスクなどの部品不足も深刻で、パソコンやプリンタ、デジタルカメラ、カーナビ、白物家電など多くの製品の生産体制に影響が及ぶ。

さらに深刻なのが、テレビ販売の低迷。欧米市場の景気悪化を受けて、大苦戦を強いられている。液晶パネルは需給バランスが悪化したことで価格が下落。世界首位の韓国サムスン電子でさえ、1~9月期はディスプレイ事業が赤字に沈んだ。

当然、日本メーカーも苦しい。ソニーはテレビの販売目標を下方修正し、今後は欧米の販売子会社のリストラを進める。パナソニックもプラズマテレビ生産を大幅に縮小。すでにシャープは亀山工場の大半を中小型パネルラインに切り替え、液晶パネルの過半を台湾メーカーなどからの外部調達に切り替えている。

今後は中国やインド、ブラジルといった新興国で成長を目指すが、価格競争がきつく利益を享受するのは容易ではない。市場が急拡大中のスマートフォンやタブレット端末でも、日本メーカーの製品は鳴かず飛ばず。韓国や台湾メーカーの活躍ばかりが目立つ。

12年4~9月期は震災の影響が薄れて「曇り」に改善するが、外部環境は厳しいまま。リストラも含めた構造改革や国内生産の縮小など、社内の見直しが一段と進みそうだ。

(前田 佳子=東洋経済オンライン)

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