「いきなり!ステーキ」息子社長が語る再建の苦闘 名物社長から引き継ぎ、人気店は復活できる?

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現場もボトムアップで変わっている。家族客の獲得が見込める店舗では、期間限定で税込み110円のお子様ランチも提供していた。

自分から発案した企画が通れば、社員も楽しく働けるだろう。うまくいかなくても成長につながる。いいサイクルを構築できていると思う。

主力のワイルドステーキ(200グラム)。一部商品は産地をアメリカからオーストラリアに変更するなど低価格を維持する工夫をしている(記者撮影)

――今2024年12月期は6期ぶりに営業黒字化を計画しています。足元の状況はどうですか?

上期は赤字になる計画を組んでいたが、計画よりも順調に推移しており、かなりポジティブに捉えている。

4月に価格改定を実施した影響があり、現状は客数にマイナスの影響が出てしまっている。その影響が今後どうなるか見守る必要がある。ただ、粗利益の確保はしっかりとできている。通期では黒字化できる見通しだ。

父、邦夫前社長との関係は・・・

――現在、邦夫前社長との関係はいかがですか?

家族としてのコミュニケーションは取っている。お盆の時期に線香を上げに実家に帰った。父が両国でやっている「和牛ステーキ和邦(わくに)」の休憩時間に家に帰ってきて、テレビを見ながら「次はいつお墓参りに行こうか」といった話はしている。普通の親子の関係だ。

創業者の一瀬邦夫氏はいきなり!ステーキの顔だった(撮影:尾形文繁)

ペッパーフードサービスについては、退任したので口を出さないようにしているが、リリースなどは見ているようだ。ただ、リリースで知ると「なんで教えてくれなかったの」とさみしそうにするので、言える範囲で会話するようにしている。

――いきなり!ステーキは、以前のスタイルから転換を進めています。

従来、ターゲットとしていたのは40~50代の1~2人で来店する層。立ち食いで回転率をできるだけ高め、利益を出すスタイルだった。

ただ出店から10年が経ち、リピーターの年齢も上がり、客層の拡大は課題だ。牛肉価格も上がり、集客は難しくなっている。それでも、ステーキを食べたいという需要はなくなっていない。リーズナブルで高品質なステーキを提供する方針は変わらないが、スタイルは変わっている。

具体的には、家族客を呼び込めるようにしている。会員ごと、グラム単位でポイントを付与していた「肉マイレージ」は、金額でポイントを付与するように変更した。家族でまとめて会計してもポイントが付与されるので、リピートしてもらえることを狙っている。

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