市場の不透明感は、「濃度」を増している 世界経済の長期停滞懸念も

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 8月31日、日本は2期連続のマイナス成長懸念が浮上しており、米国では9月利上げの可能性が再び強まったが、円安だけでは外需回復の期待は高まらず日本株も戻り売りに押されている。東証、26日撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 31日 ロイター] - 金融市場を覆う不透明感が、一段と濃くなっている。日本は2期連続のマイナス成長懸念が浮上。米国では9月利上げの可能性が再び強まったが、円安だけでは外需回復の期待は高まらず、日本株も戻り売りに押されている。

上海株も反落。世界同時株安からの「病み上がり」とさえ言えない不安定さに投資家も慎重で、実質的な売買量も減少。世界経済の長期停滞を懸念する声も出始めた。

消費も生産も弱い7月の日本   

日本の国内総生産(GDP)が2期連続でマイナスに陥る可能性が浮上してきた。

31日発表された7月鉱工業生産指数速報は、前月比0.6%の低下。市場予測は前月比0.1%上昇だったが、電子部品や自動車部品などが低調で、2カ月ぶりの低下となった。

7月は消費もさえない。前週発表の7月の実質消費支出は2カ月連続で前年比減少。7月小売業販売額は前月比で増加したが、耐久消費財の動きが鈍い。4─6月期のGDPがマイナスになったのは、天候不順が主要因とされたが、天候が回復しても消費や生産のペースは一向に上がらない。

市場では、こうした指標を受けて、7─9月期GDPもマイナスになる可能性がささやかれ始めている。「現時点の予想では1%程度と小幅なプラス。わずかな下振れでマイナスになる可能性がある」(SMBC日興証券・日本担当シニアエコノミストの宮前耕也氏)という。2期連続のGDPマイナスは、海外では景気後退(リセッション)とされる。

日経平均で予想PER(株価収益率)は15倍前後と割高感は乏しいが、それはあくまでこれまでの業績予想が前提。業績が下振れれば、バリュエーションの評価を一段下げなければならなくなる。現時点で大幅な業績下方修正の可能性が高まってきているわけではないが、先行きが読みにくくなる中で、市場の慎重ムードは強くなっている。

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