「成功した親」の子の将来が"むしろ危ない"のワケ 「AIに左右されない仕事が強い」に隠された盲点

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スポーツのチームが新たに選手を選ぶときにも、たびたびスコアによる選別が行われます。たとえば、身長175センチ以上という数値基準を設ければ、174.5センチの人ははじかれます。どれほど優れていても、はじかれるのです。

それでも、こうした事例においては、多くの人が「合理化のためには仕方ないのだろうけれど、本当はもっとていねいに個別に見たほうがいいのに」と感じるはずです。

問題なのは、自らのコスパ・タイパを追求するために、よかれと思ってやっていることが、スコア化に操られているだけの結果になっているケースです。

今、飲食店を選ぶときに、多くの人が「食べログ」などのサイトを活用しますね。あれも、こちらは使いこなしているようで、実は操られている側面が多々あります。

評価スコアが高ければ、「おいしいはずだ」と思い込み、思考停止したまま迷わずに予約してしまう。「おいしいはずだ」と思い込んでいるから、バイアスがかかって実際の味の評価も甘くなる。

逆に、評価が低ければ、自分が「よさそう」と思っていてもためらってしまう。それによって、本来だったら自分にとってはすごくよかったかもしれない店との出会いの機会を喪失する。

誰かを接待するときなど、「ここにしよう」と決めていた店の評価が低いと、予約する勇気がなくなる。誰かに接待されたときに、その店の評価が低いと複雑な気持ちになる。

しかし、隠れた名店というのも間違いなくあります。

このように、スコア化のマイナス要素はいくらでも出てきます。

とはいえ、私はこうしたサイトを否定するつもりは毛頭ありません。これからの時代、AIと組んだスコア化がどんどん進むのは止めようがありません。そうしたものは、大いに利用したらいいでしょう。利用できなければ、落ちこぼれてしまいます。

ただ、そのときに「利用しているか、利用されているか」という検証は必要です。

すでにAIは、人々が考えている以上に深く、私たちの生活に入り込んできています。AIとはうまく付き合わないといけません。抵抗している時間があったら、いち早くAIの使い方をマスターしましょう。大事なのは、AIに淘汰される側ではなく、AIを使える側に入ることです。

1%の人が99%を支配する時代

データ処理能力では、人間はAIにはかないません。だから、AIが得意な分野にしがみついていれば、潰される人間が次々と出てきます。

逆に、人間を遥かに超えた処理能力を持つAIを徹底的に使いこなせる立場になれば、その人はこれまでの何百倍もの成果を出せます。しかしもちろん、そういう人はほんの一握りです。

ということは、これからのビジネス界では、1%の人が99%の人を支配するようになるわけです。しかも、1%の人が扱う額が莫大になるので、その格差はどこまでも拡大します。

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