なぜここに?地図にない、横浜「トロッコ廃線跡」 相模原と野毛を結ぶ、日本初の近代水道に貢献

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表示板については、「2007年に、横浜が近代水道の創設から120年を迎え、水道局ではさまざまな記念事業を実施しました。その一環として横浜水道創設水道導水路(水道みち『トロッコ』の歴史)の案内板を設置しました」とのことだ。

この水道道は、導水管設置後に道路として活用されていたが、1982年に、横浜市と相模原市が「横浜市水道道の使用に関する協定」を結び整備され、現在に至っている。案内板の設置により、「ここに、日本初の近代水道が誕生したことを伝えることで、水道への関心が高まればと思っています」と話す。

トロッコの歴史を示す表示板(筆者撮影)

「水道みち トロッコ」を歩く

案内板は、相模原市緑区三井の旧三井用水取入所跡を1番として、横浜市西区の野毛山公園内にある旧野毛山浄水場まで26カ所に設置されている。

多くの区間が「水道みち」として、緑道や一般道となっており、一部に古い導水管や獅子頭共用栓などが展示されている。16号線旧道の川井本町交差点付近の帷子川を越える橋には、線路が埋め込まれており、トロッコが存在したことを表している。もちろん、当時の廃線跡ではないが、メジャーで線路幅を測ると、トロッコと同じ61cm。こだわりが感じられる。

どころどころに導水管も展示されている(筆者撮影)

なお、水道道のうち相鉄線鶴ヶ峰駅から上星川駅付近までは、西谷浄水場が建設されて以降のルートで、最初のルートは北側の相鉄線に近い場所となり、案内板もそれに沿って立てられている。

地図に載らなかった廃線跡は、意外なところにあるもので、もしかしたら、あなたの街にも廃線跡が埋もれているかもしれない。

渡部 史絵 鉄道ジャーナリスト

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わたなべ・しえ / Shie Watanabe

2006年から活動。月刊誌「鉄道ファン」や「東洋経済オンライン」の連載をはじめ、書籍や新聞・テレビやラジオ等で鉄道の有用性や魅力を発信中。著書は多数あり『鉄道写真 ここで撮ってもいいですか』(オーム社)『鉄道なんでも日本初!』(天夢人)『超! 探求読本 誰も書かなかった東武鉄道』(河出書房新社)『地下鉄の駅はものすごい』(平凡社)『電車の進歩細見』(交通新聞社)『譲渡された鉄道車両』(東京堂出版)ほか。国土交通省・行政や大学、鉄道事業者にて講演活動等も多く行う。

 

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