iPhoneの創造主の矛盾に満ちた人生とは?

神格化されたイメージに「待った!」

ナレーションは英語です

アップルの共同創業者であるスティーブ・ジョブズの生涯と遺産を描いたドキュメンタリー映画が公開される。映画のタイトルは『Steve Jobs: The Man in the Machine』。「徹底的で臆することのない」ともいえる視点から、このコンピュータを作った男を描写している。

サイエントロジーとウィキリークスのドキュメンタリー映画でも監督を務めたアレックス・ギブニー監督は、8月27日のニューヨークでの上映に向かう前に、ジョブズを題材に選んだのはその神格化されたイメージにつきものの矛盾が理由であると述べた。

「ジョブズは、その成功と失敗の両方について正しく理解すべき重要な人物です。最終的にジョブズが成功したせいで、人々は『よし、ジョブズのやり方を全部見習おう』と考えたがります。確かに、いくつかは見習うところがあると私も思います。しかし、見習うべき点はあまり多くはありません」

映画は、2011年のジョブズの死に対する人々の反応から始まり、それからジョブズの情熱やいわゆる貪欲さについての物語の展開へと続く。

映画は約2時間。「包括的な視点から作っていて、時には厳しい内容も入っていると思います。ジョブズは多くの人にきつく当たっていたようですが、私たちはその事実から引き下がる気はありません」とギブニー監督は述べる。

「余裕がないので支援はできない」

映画には元アップル社員とのインタビューがある。ジョブズや共同創業者スティーブ・ウォズニアックとの記録的なインタビューも使われているが、アップルからの許可は下りていない。

「今回、アップルからは不満を持たれていますが、それは最初からでした。まず最初にアップルに行き『協力していただけませんか』と言ったんです。その返事は『私たちにはその件について支援を行うような余裕がありません』というものでした。世界一価値のある企業からこんな愉快な話が出るとは!と思いましたよ」

ギブニー監督は、来場客がアップルのデバイスのこと、孤立主義のやり方、そして企業責任についての教訓を深く理解してから帰ることを期待している。

「この映画の要の1つは価値観、すなわち企業価値観です。今や政府は疲弊しているように見え、企業は巨大化しています。私たちは自らの生活において、企業の価値観が何なのかについて、より注意を払う必要があります。企業は必ずしも広告通りとは限らないと私は考えています」。『Steve Jobs: The Man and the Machine』は9月4日に公開される。

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