「国の温暖化対策は違憲」韓国で出た衝撃判決 ガチの具体策でなければ国民の権利を侵害

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原告と代理人弁護士らは、これを「歴史的な」判決と評価する。

「アジアの気候変動訴訟で初の勝利となる判決だ」と原告らは報道発表でコメントした。「この判決は、重要なターニングポイントとなって、不十分な気候対策に異議を唱える訴訟活動をアジア全域で促す可能性がある」。

原告の1人、12歳のハン・ジェアは29日の判決後の記者会見で次のように語った。「大人たちはいつも私たちに『子供らしく振る舞え』と言って、重大な責任を伴う問題について私たちの声に耳を傾けない。この訴訟を通じて、私がどれだけ気候のことを気にかけているか示したかった」。

韓国環境省は29日、裁判所の判決を尊重し、これを踏まえた措置を講じると述べた。

日本や台湾でも同様の提訴が進行

気候変動の影響が世界中で実感されるようになる中、人々は気候変動対策を人権や憲法で保障された権利の問題と考え始めている。

ドイツ連邦憲法裁判所は2021年に、将来世代の権利を守るため従来よりも強力な気候変動対策を義務付ける画期的な判決を出したが、韓国の判決はこれに続くものだ。4月にはヨーロッパ人権裁判所が、スイス政府が気候変動に関して十分な対策を講じず国民の人権を侵害した、という判決を下している。

訴訟の組織化を支援した気候活動家たちは、韓国の判決が他のアジア諸国における気候変動訴訟・政策に影響を与えることを期待した。同様の訴訟は日本や台湾などでも起きている。

「今日の判決は、単に『温室効果ガス削減』をめぐるものではない。これは、憲法と政府の責任を通じて、私たちの尊厳ある暮らしを守らなければならないと宣言するものだ」と市民団体「気候危機緊急行動」の事務局長イ・ヨンギョンは述べた。「これにより、気候危機に対する公正な対応が始まったのです」。

(執筆:Choe Sang-Hun記者)
(C)2024 The New York Times

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