中国人民銀幹部、「世界株安の震源ではない」 「米FRBの年内利上げ観測が要因」と主張
[北京 27日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)金融研究所のYao Yudong所長は27日、最近の世界的な株式市場の混乱を引き起こしたのは、米連邦準備理事会(FRB)による利上げの可能性をめぐる懸念であり、人民元基準値引き下げではないとの見解を示した。
同所長はロイターに対し「中国の為替改革は、世界の株式市場の乱高下とは一切関連していない。予想されているFRBの金融政策動向によるところが大きい」とし、人民元基準値引き下げを世界株安の要因とする考えは的外れと語った。
年内の米利上げをめぐる懸念が、新興国からの資本逃避を加速させている可能性があるとも指摘。中国経済の基盤は健全としつつも、米利上げが実施されれば、一部新興国は数年後に金融危機に陥る可能性に直面するとし、「新興国が用意を整える十分な時間を与えるため、FRBは利上げをさらに遅らせるべきと考える。FRBは自国経済だけでなく、脆弱な状況にある世界経済についても配慮すべきだ」と述べた。
人民元<CNY=CFXS>相場については、短期的に両方向に変動する公算が大きいとしたうえで、「2─3年後に、人民元が上昇する可能性は排除できない」との見方を示した。
中国経済については、一段と底堅いサービス部門や消費が成長を引き続き支えているとし、中国経済の「ハードランディング(硬着陸)」の可能性をめぐる懸念を一蹴。「中国経済は良好な状態にある。年間成長率が7%に到達すると確信している」と語った。
また、中国には、米利上げによって想定される流動性ひっ迫に対処する政策余地が十分にあると言明した。
ニューヨーク連銀のダドリー総裁は26日、市場の混乱について「われわれは関係ない。これは海外の動向に起因する。われわれが見極めなければならないのは、こうした海外の動向が米国にどのような影響を及ぼすかだ」と述べ、市場の混乱で9月の利上げの切迫性が薄れているとの認識を示した。
*内容を追加し、写真を差し替えました。
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