今なお残る「富士重工製の鉄道車両」一族の系譜 2003年生産終了、独創的技術生かした気動車も

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富士重工業の生産拠点がある群馬県や栃木県を走るわたらせ渓谷鉄道も、LE-CarやLE-DCを導入した。理由について同社営業企画課は「ドアやクーラーなどにバス用部品を多用し製造コストを下げた第3セクター向けの軽快気動車を富士重工業が製造し、多くの会社が採用していたため決定した」と説明する。

一方で自動車分野における水平対向エンジンや運転支援システム「アイサイト」のような、独創的な技術を生かした車両もあった。世界初の制御付振子気動車となったJR四国2000系はその1つだ。

気動車の高速化ニーズに対応

国鉄分割民営化によって生まれたJR四国は、高速道路網への対抗として高速化を考え、いくつかの車両メーカーに打診した。その中から富士重工業の提案が採用され、JR四国および鉄道総合技術研究所との共同開発がスタートしたという。

気動車はエンジンの力を台車に伝える推進軸が振子運動の邪魔になることから、スムーズに伸縮する軸を開発し、推進軸の回転と逆方向に車体が傾く問題は、2基のエンジンの推進軸を逆方向に回転させることで解決した。

自然振子で課題だった不快な揺れは、線路データを記憶させ、カーブの手前から徐々に車体を傾けていくことで抑制した。日本機械学会賞を受賞したこれらの技術は、その後JR北海道キハ281系、智頭急行HOT7000系などに引き継がれた。

京都丹後鉄道 KTR8000形
京都丹後鉄道が特急列車「丹後の海」として運用する気動車「KTR8000形」(筆者撮影)
スーパーはくと
京阪神と鳥取を結ぶ「スーパーはくと」として活躍する智頭急行の特急形気動車「HOT7000系」。最高速度は時速130km(編集部撮影)
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