「女性が一生を賭けられる」会社と上司の条件 変わるべきは男のアナタだ

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女性活躍推進に向けた制度が改良され、それに触発されて女性がいくらやる気になったとしても、それが直属の上司に評価されないのでは、組織で評価されないも同じです。女性は冷静に「割に合うか合わないか」を判断しています。女性活躍推進には理解を示す企業が増えてきた昨今、特に優秀な女性ほど選択肢を持っている、ということは上司として肝に銘じておかなくてはなりません。

男性女性に関わらず、企業が優秀な人材をみすみす手放すということは、「多様化する人材活用に対応できません」ということを内外に向かってアピールしているようなものです。採用・育成に投資をしてきて業務も習熟した人材を、みすみす手放すのは費用対効果の観点からみて大きな損失ではないでしょうか。

今やそういった情報はSNS等を通じて、一気に拡散していきます。そのような会社に、一生懸命仕事をしようと考えている女子学生が就職したいと思うはずもなく、結果として、いつまでも自分たちが欲しいタイプの女性社員を採用出来ないということになります。まず変わるべきは現場の上司なのです。

女性の部下は自分の娘だと思って対応してほしい

勘違いしていただきたくないのは、上司が女性社員だけに愛情をたっぷりかけろ、というワケではないことです。甘やかせということでもありません。皆さんが将来を嘱望する男性社員に対するのと同様に、きっちり指導するべきだと思います。ただ、一点だけ大事なのは、彼女たちのライフスタイルと気持ちの変化に敏感であってほしいということです。

もし、仕事をやる気のあるご自身の娘さんが、会社で、思うような仕事を任せられず、適切な指導も受けられず、やる気を失っていたらどのように声をかけるでしょうか。「そんな会社は辞めて、転職しろ。上司は何を見ているんだ」とおっしゃると思います。あなたはそんな上司になりたいですか?

女性は、入社してから10年弱、頑張って働き、30歳前後で結婚・出産というライフイベントを経て、その後子どもが大きくなり、子育てが一段落した40歳半ばくらいから、まだまだ20年間働き続けるのです。もちろん個人差はあります。でも、子育てが一段落してからのほうが働く時間が長い人が多いでしょう。

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