苦境・ソニーが懸けるクラウド戦略の成算

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 その一端が、10月に形となって表れた。ライバルに後塵を拝しながらも発売した「ソニータブレット」は、エンターテインメントが最大の差別化要素。自社のコンテンツ配信サービス「ソニーエンターテインメントネットワーク(SEN)」を通して、音楽や映像、ゲーム、電子書籍を楽しめる。

SENを担当する統合UX・商品戦略部門企画推進部の木元哲也統括部長は、「電子機器なら発売日がゴールだが、配信サービスは日々改良を続けるため事業内容がまるで違う」と言う。「統合UX(ユーザーエクスペリエンス)」とは顧客体験を指しており、最近のソニー社内で盛んに使われるフレーズだ。同部門は平井副社長の肝いりで、国内スタッフの多くは平井氏の出身母体であるゲーム子会社の出身者。海外も外部出身者が多いという。

サムスンやパナソニックもネットにつながる「スマートテレビ」などで動画配信を手掛けているが、機器間の連携やサービス内容でソニーは先行している。

アップルだけじゃない 強力ライバルが続々

とはいえ、ライバルは電機メーカーだけではない。


 グーグルは11月、新たなサービス「グーグルミュージックストア(GMS)」を開始した。最大2万曲まで無料でネット上に保存でき、好きな端末で音楽を聴くことができるほか、1300万曲の有料配信も行う。ソニーは自社のスマホやタブレットにグーグルのOS「アンドロイド」を搭載しており、SENとの競合はとりわけ激しい。

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