3つ目は徹底的コスト削減だ。BYDは独自の技術を採用し、サプライチェーンの垂直統合および規模の経済で強い競争力を維持している。
車載電池やモーターなどのコア部品からランプ、パワー半導体、エアコン、電子部品まで自社で生産しており、ボディーと電池を一体化するCTB(Cell to Body)や、モーターや減速機などの12部品を一体化させた「12 in 1」eアクスルなどを開発し、車両コストの削減につなげている。
成長力でサプライヤーを惹きつけて競争を促す
また部品サプライヤーに対して調達先の固定化を避け、競争を促すことで、常に最も安い部品調達先を確保する調達方針を取っている。BYDが強気な姿勢を取れる背景には、高い成長力でサプライヤーを惹きつけ、優位な立場がある。
BYDは高いコスト競争力を武器に低価格で高性能なPHVの商品ラインナップを充実することでエンジン車メーカーからシェアを奪っている。中国乗用車市場に占めるBYDのシェアは2019年の2.2%から今年1~6月には14.1%へと大きく上昇した。
一方、強さばかりが語られるBYDに死角はないのか。決算データの中でも浮かぶネガティブな要素は3つある。
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