2つ目は、製品技術の向上だ。
BYDは今年5月、同社の最新PHV技術「第5世代DM-i」を搭載した新モデルを投入し始めた。エンジンの熱効率は世界最高水準となる46.06%、100㎞当たりの燃費は2.9ℓを実現し、PHVの航続距離(エンジン・モーター走行と電動モード走行の組み合わせ)は2100㎞に達した。
日本勢が得意とするハイブリッド車(HV)と比較しても、優位性を持つPHVのパワートレーンを実現した。これまでHVを含むエンジン車に乗っていた消費者が、PHVに乗り換える流れを作り出した。
こうした技術向上を支えるのが研究開発(R&D)に対する積極的な姿勢だ。2024年1~6月のR&D費は41.6%増の211.7億元、純利益の1.5倍に相当する規模である。売上高R&D比率は2022年の4.9%から2024年1~6月には7.0%へと上昇している。研究開発力の強化はBYD躍進の大きな要因だろう。
従業員数は75万人
2024年6月末時点での従業員数は75万人に達し、上海汽車の3倍に上る。そのうち10万人規模の研究開発部隊は人海戦術とデジタル技術の融合で技術革新に取り組んでいる。外資系サプライヤーから調達した部品を分析・学習し、製法の開発や機械の内製を実現した事例も少なくない。
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