フィンランド人は「夏休み3週間」が当たり前 日本人が知らない「余暇至上主義」の生き方

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日曜大工(DIY)も盛んで、コテージやサウナを何年もかけて建てる人も珍しくない。通信系企業に勤務していた万里さんの父親は、重要な会議があれば電話で参加しながら、家族との夏休みを楽しんでいたという。

「フィンランドはどこでもWiFiが使えるIT大国ですが、夏休みには田舎のコテージで自然とふれあう原始的な生活を過ごす人が多い。そうすることで生き返る感覚なんだとみな言っていますね」と語るのは、北欧のライフスタイルを提案するエコ・コンシャス・ジャパンの戸沼如恵代表だ。

「フィンランド人はおとなしくシャイな国民性だが、エアギター選手権や嫁担ぎ競争など、ユニークなイベントが多いのも魅力」と話す戸沼さん

戸沼さんは、娘がデンマークに留学したことがきっかけとなり、「サステナビリティとエコロジーとスタイリッシュが調和している」北欧の魅力にはまったひとりだ。

現在はデンマーク、フィンランドへのツアー事業を柱にしながら、国内でのワークショップや北欧とのビジネス構築支援などを手掛けている。8月上旬に実施したツアーでも、フィンランド東部のカレリア地方に滞在し大自然を満喫するプログラムが、参加者に人気を博したという。

余暇の過ごし方が人生を作る

戸沼さんは、「リラックスする時間を優先するのがフィンランドの文化。仕事が自分の人生を作るのではなく、余暇が自分の人生を作ると思っているのではないか。そこが日本人との大きな違い」と話す。

残業をしないのが基本なので、父親が家事育児をするのは当たり前の光景だ

そんなフィンランド人のライフスタイルは、働く女性にとって、ストレスの少ないものといえる。みなが4時に帰宅して残業をしないのが当たり前なら、早く帰る“後ろめたさ”を感じずに済む。

戸沼さんによると、子どもが誕生すると夫婦そろって3カ月近く休み、その後育児休暇を交代で取るといったケースが多い。

妊婦には、子ども服や育児グッズが入ったマタニティボックスが無料で支給される。ちなみに、このボックスはベッドとしても使えるという優れもの。また、保育園が整備されているのはもちろん、保健所と児童館が一緒になったような“ネウボラ”という施設があり、子育て支援サービスを行っている。保育園に預けるための保活や子育てと仕事の両立で神経をすり減らしている日本のワーキングマザーの環境とは、ほど遠いものがある。

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