マレー半島、ジャングル縦走「夜行急行列車」の旅 首都クアラルンプールは都市交通が充実

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クアラリピスはマレー半島の中心よりやや北に位置する小さな街、ここで宿泊し、翌早朝、ジョホールバールからやってきた夜行列車に乗車した。

単線区間を、夜を徹してやってきた列車ではあるが、定刻に到着、多くの乗客があり、夜行列車としてだけでなく、昼間の利用も多かった。東の空が白みはじめ、車窓には熱帯のジャングルが広がり、列車は何度も小さな川を渡った。利用者は思いのほか多く、12両の客車はざっと70%程の乗車率で、小さな町々で客を降ろしては北へ向かった。

外国人観光客はわずかで、ほとんどが地元客である。単線なので反対方向の列車とは駅で行き違いになるが、昼間の列車はすべて中国製のエンジン発電モーター駆動の車両であった。終着駅トゥンパはコタバルという大きな街の郊外にある。実質的にはコタバルがマレーシア東海岸最北のタイと接する街となる。終着近くの沿線風景もどことなくタイに似ていた。

格安な運賃も嬉しい

ここのところ円安などから日本人の海外旅行熱が冷めているが、マレーシアは物価が安く旅行しやすかった。鉄道運賃はとくに安く、ジョホールバール―グマス間21リンギット、グマス―クアラリピス間9リンギット、そしてクアラリピス―トゥンパ間24リンギット、マレーシア最南端からタイとの国境近くの街までの運賃は合計54リンギット、日本円で約1800円である。この間の距離は742kmあるので、東京からだと岡山くらいまでの距離となり、いかに運賃が安いかがわかるだろう。マレーシアでは鉄道が上下分離方式となったものの、実質国鉄であるので、一般物価以上に安価である。

現在の日本では、円安などから「海外はどこへ行っても割高」というような風潮になっているが、それは誤りで、現在でもお得な国は数多くある。

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