東海道新幹線ホーム「黄色い無人店舗」売れるのか カメラで購入商品を判別、出店場所にある狙い

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コンビニやスーパーなどで採用されているセルフレジよりも一歩進んでおり、手軽かつ短時間で会計が終わる。セルフレジでは会計時に商品に付けられたバーコードをレジの機械に読み取らせる必要があるが、この店舗ではその手間がない。

東京駅 無人店舗 レジ
レジでは手に取った商品が自動でディスプレーに表示される(記者撮影)

その理由は、店舗上部に取り付けられた多数のカメラや棚に設置されたセンサーが、客が手に取った商品を判別しているからだ。商品を手に取ったが、買うのをやめて棚に戻すといった動きもカメラやセンサーがきちんと捕捉する。

商品支払いまでのプロセスがあまりに簡単なので戸惑う客もいるのではないか。こんな質問に対し、JRプラスの担当者は、「無人店舗のため、なかなかリサーチしづらい」と前置きしたうえで、「初めてご来店されるお客様が多いと思われる連休時期でも、とくにトラブルなくご利用いただいていた」と説明する。

商品アイテム数を売れ筋に絞ったほか、音声案内や多言語表示対応、使いやすいレジも利用しやすい一因だという。お盆の時期の販売状況については「数字で開示できるものはない」とのことだったが、「非常に多くのお客様にご利用いただいた」という。

東京駅 無人店舗 商品棚とディスプレー
店舗にはディスプレーで利用方法を表示。商品アイテム数は絞っている(記者撮影)

「ホーム上」での展開に意味

この無人店舗販売システムを展開するのはJR東日本グループのタッチ・トゥ・ゴー(TTG)である。技術開発を手掛けたシステム開発コンサルのサインポストとJR東日本が合弁で2019年に同社を設立し、2020年3月に開業した高輪ゲートウェイ駅の駅ナカコンビニでこの無人決済システムが採用された。

JR東日本のコンビニ「NewDays(ニューデイズ)」に先んじてファミリーマートがこの技術にいち早く関心を寄せた。2020年11月にファミマとTTGが業務提携を行い、翌2021年3月に都内で第1号店を出店した。また、同年8月には西武鉄道とファミマが共同で展開する西武線の駅ナカコンビニ「トモニー」にも無人決済システムを導入した。

TTGの無人決済システムはコンビニ業界以外からも広く注目を集め、ANAグループのANA FESTA(エーエヌエーフェスタ)が羽田空港や中部国際空港で展開する空港ギフトショップや、化粧品会社のオルビスの直営無人販売店舗などにも採用されている。金融機関店舗での導入としては初の事例として、城北信用金庫の王子北本通り出張所にも導入されたし、出遅れていたニューデイズでも2024年6月、このシステムを初めて導入した店舗が飯田橋東口にオープンした。

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