JCペニーは大手デパートチェーンだ。同社で2011年に販売された長袖シャツが問題となった。そこにはポップな文字で、“I’m too pretty to do homework so my brother has to do it for me.”と書かれている(「可愛い私がなんで学校の宿題なんてやんなきゃいけないのよ。そんなの私の兄弟がやってくれるわ!」)。
JCペニーは女性差別か、それとも幼稚な悪ふざけか
加えて”Who has time for homework when there’s a new Justin Bieber album out?”とも(「ジャスティン・ビーバーのニューアルバムが発売されるっていうのに、宿題なんてやっているヒマなんかある?」)。
あんたねえ、女の子は遊んでおけばいいのか、と批判が殺到。これまた同社は販売を中止した。同じく「too pretty to do homework」「JC Penney'」と検索いただければ出てくる。若年層向けに販売されていた商品だったが、同社の性意識はまるで100年前のものだとも批判された。
これはまだジョークの部類だろうか。それとも、やはり悪しき差別観念の表出だろうか。
炎上商法でも上等じゃないか、と思うかもしれない。ただ、企業が永続的に繁栄するためには、消費者を炎上させるのではなく、やはり自社商品に共感してもらわねばならない。必要以上にビビることもないが、SNSで瞬く間に拡散してしまう時代にあっては、注意が肝要だ。
作り手がジョークだと思っても、それは受け取り手が決める。もちろん意図的な差別表現はご法度だ。これが私たちの望んだ「消費者主権」と「平等主義」なのかと感じる側面はあるものの、デザイン的なある種の「悪ふざけ」は、消費者にしたら大問題となる。
今やインターネットを介せば、情報は一瞬で世界を駆け巡る。リアルな世界で考えても、日本に旅行に来る訪日外国人が激増するなど、日本国内にいても国際化の波を感じる。しまむらの一件は日本国内だけの問題にとどまったものの、世界から非難される可能性があったかもしれない。
また、少なくとも世界のファッション業界で起きた先例に何も学んでいなかった。もはや、グローバルに展開する企業だけでなく、ローカル企業であっても、世界の宗教や文化、歴史観をしっかりと認識しておかねばならない時代になっている。
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