日本株の「本当の買い時」が近づいている カギを握るのは、9月にかけての原油相場

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一方、最近の株価の重石となっているのは、市場センチメント(心理)だけではない。コモディティ(商品)価格の低迷も、株価に対して直接・間接の影響を与えている。

数年前までのコモディティ価格の急騰は「スーパーサイクル」などと呼ばれ、世界の投資家がこぞってコモディティ市場に参入した。しかし、市場を取り巻く環境は一変し、いまや見る影もない。

コモディティ市場の低迷や需給構造の変化、ドル高や株高により投資家が一気に手を引いた。それにつれて専門のヘッジファンドのリターンも著しく劣化し、撤退を余儀なくされる。こうした悪循環も、コモディティ価格の低迷に拍車をかけていると考えられる。

原油が底打ちすれば、消費者物価も底打ちする

このような市場環境の中、多くの世界の市場関係者が、原油価格の動向を気にしている。その背景には、原油の価格動向が金融政策や株価に大きな影響を与えていることがある。

原油価格と米消費者物価の動きを比較すると、原油価格が半年程度先行して動いている。つまり、原油価格が底打ちし、その半年後に消費者物価も底打ちしているのである。

したがって、目先の原油価格の動向次第では、近い将来の消費者物価の反転も十分期待できることになる。

もし原油価格が反転すれば、マイルドなインフレの高まりへの期待が高まり、それが株価や景気にポジティブに作用するだろう。しかし、現在の原油市場では、将来の価格見通しに対して弱気な見方が増え始めている。

供給増に歯止めがかからず、需給緩和状態が続いていることが、市場関係者を弱気にさせている。先物市場でも、投機筋の買い持ちが減少するなど、現行水準でも買いが入る兆しが見られない。しかし、筆者には、弱気な市場の見方の割には、価格は下げ渋っているようにみえる。

その背景には、原油市場の特性があるように思えてならない。

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