「311 失われた街」展--東日本大震災で被災した14地域の復元模型と震災関連データで「街」への追悼を表現


 展覧会を監修したのは、建築家の内藤廣氏(下写真中央)とデザイナーの原研哉氏(同左)。いずれもTOTOが文化活動の一環として運営する建築・デザインの専門ギャラリー、通称「ギャラ間」の運営委員を務める。今回の展示の中核となる復元模型制作の指揮を執ったのは、建築家で神戸大学大学院准教授の槻橋修氏(同右)。実際の制作には、同大学槻橋研究室のメンバーをはじめ、全国13大学の建築学科に在席するのべ200人に及ぶ学生が当たった。



 規格化した「模型」という、建築家にとってはもっとも基礎的かつ標準的な技法を使うことで、「それぞれの模型の比較対照をしやすくし、南北500キロメートルという広範囲に及んだ今回の地震の被害の大きさを具体的な形として理解してもらえるようにした」(槻橋氏)。

「建築に携わる者として、今回の震災の衝撃は大きかった。被災地では、35万トン以上の建物が一瞬にしてなくなり、何十年かけて造られた街も消失してしまった。人間と建築や街との信頼関係が完全に崩れたように感じた。失われた信頼を回復するために、建築家の立場で何ができるのか。学生たちと一緒に考える中で、今回の模型制作のアイデアが出てきた」と槻橋氏。槻橋氏は、仙台を中心に結成された、建築家による復興支援のネットワーク、ArchiAid(アーキエイド)の主要メンバーとして、被災地の復興計画にも携わっている。

「一言で被災地といっても、地域によって状況はさまざま。震災で失ったものの全体像をまず理解することが、復興に向けた第一歩になる。統計数値や断片的な映像を補うように、何らかの具体的な形として示したいという思いがあった。その作業を通じて、突然死を迎えた街や集落を建築的な意味で追悼する、という意味も帯びていた」(同)。

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