韓国「40代独身女性の共同生活」に支持集まる理由 韓国の非婚化が問う「社会制度の家族問題」

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ファンとキムは、自動車を購入した際に、韓国の社会支援制度が非婚の共同生活者を日々の暮らしからいかに排除しているかを実感した。結婚している夫婦に適用される保険料の割引を受けられなかったからだ。2人は、既婚夫婦に適用される携帯電話サービスの割引や航空マイレージの共有といった恩恵も受けられなかった。

共同生活者はどれだけ長く一緒に暮らしていたところで、既婚の同僚とは違って、病気になったパートナーの看病をするために休暇を取ることはできない。また、配偶者とは違って、医療上の緊急事態で互いの法定代理人になることもできない。

夫婦より非婚パートナーのほうが幸せ

その一方で、従来の家族構造の魅力は失われつつある。

2020年に女性家族部の委託で実施された調査では、回答者の約70%が、婚姻や血縁で結ばれていなくても一緒に暮らして費用を分担している人たちは家族とみなされるべきだと答えた。

また、非婚のパートナーは結婚している夫婦よりも幸せで、家事の分担も公平であることがわかった。2022年に政府が実施した調査によると、韓国の若者の約81%が非婚共同生活の考えを受け入れている。

携帯電話会社のLGユープラスをはじめとするいくつかの企業は、新婚夫婦に対する福利厚生との釣り合いを取るため、婚姻という形を取らないことを決めた従業員に対し特別ボーナスと休暇を提供し始めている。

2022年には、40代の女性が一緒に暮らしていた4歳年下の女性を娘として養子に迎えたことで話題になった。2人の女性が法的に保護された家族になるには、そうするしか方法がなかったからだ。

ファンとキムはそこまでは考えていないが、韓国はシビル・ユニオンの導入が避けられなくなっていると話す。「私たちが年を取る頃までには実現するでしょう」とファンは言った。

ソウルにある2人の自宅
ソウルにある2人の自宅(写真: Woohae Cho/The New York Times)

(執筆:Choe Sang-Hun記者)

(C)2024 The New York Times

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